数学ガール

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

GW の読み物として買った本。評判通り数学の楽しさを教えてくれる本でした。裏紙を使って,久々に式を展開をしてみたり,微分してみたりしたのは楽しかったですね。とは言え,私は数学はさほど好きではないんだろうなと,やはり感じました。数学にワクワク感は持たないし,もっと知りたい,理解したいという気持ちは湧きませんでした。

でも,数学ガールの続きは読んでみようと思った。小説や映画を見たいのと同じような気持ち。

ワインバーグの文章読本

ワインバーグの文章読本

ワインバーグの文章読本

ブログを書く時の参考になることがたくさん得られました。対象読者は本を出版しようとしている人なんだろうけれど。


私もブログのネタを保存しておいて書くこともあるのですが,キーワードをメモしているだけで,「決まったやり方」を持っていませんでした。それでも,ネタを持っているとブログを書きやすいことは確かでした。この本に書かれてある自然石構築法は方法としてはゆるいものだけれど,強力な印象を持ちました。私の我流のネタ収集法に少しずつとりこんでいくつもりです。


前半あたりで一度飽きがきてしまい,読むのをやめようと思ったのですが,中盤からは楽しかったです。もう一度読んでみようと思う一冊でした。

ブラウンのデザイン哲学

恥ずかしながら,ブラウン (BRAUN) というとシェーバーしか思いつかない私でした。これまで様々な種類の製品を世に送り出していたんですね。ブラウン製品を手にしたことはないのですが,そのデザインに対する考え方は共感するものがありました。

ブラウン デザインとは:
・革新的であると同時に、自然である。
・機能的であると同時に、感情に訴える。
・識別的であると同時に、個性と、世界的に受け入れられることを調和させる。
・恒久的な品質を誇ると同時に、高水準の視覚的アピールを備える。
・明確であると同時に、最適条件の多機能を提供する。
・誠実に、誤った期待を抱かせることなく、みずからの基本価値を肯定する。
・審美的であると同時に、高度な合理性をも表現する。
BRAUN Design World より引用

デザインはやはり、ユーザの感情に訴えるものがないと駄目なんでしょうね。iPod しかり。「買いたい」と思うものはどこかに感動させられるものがあります。また、何をしてくれるのか、何をしたらいいのかが明確です。

  • ユーザ:「○○がしたいんですけれど...」
  • 開発者:「ああ、それならば、このボタンを押して設定パネルを開いてから...」
  • ユーザ;「わかりにくいね」
  • 開発者:「でもやりたいことは出来ますよ」
  • 開発者:「わからなければ,マニュアルを読んで下さい」

なんてのは、デザインされているとは言わないんだろうと思います。


まともにデザインされている携帯電話に巡り会いたいと思うこの頃です。

ソフトウェア開発者採用ガイド

ソフトウェア開発者採用ガイド

ソフトウェア開発者採用ガイド

悪くない本ですが,もし Joel on Software著者の書籍を読んでいるのならば,この本は読まなくていいです.後半は,採用面接ゲリラガイドとジョエルテストがそのまま載っているだけ(若干の加筆修正はあるのですが).そして,前半も Joel on Software を読んでいる人なら,どっかで聞いたことのあるような話で構成されています.Book-off に置いてあったので暇つぶしのために買ってみたものの,結論は買わなかったらよかったなという感想です.


ソフトウェア開発者の考え方やソフトウェア開発者の採用についてよくわかっていない人に渡すには良い本かもしれない.

感動をつくれますか?

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

モノを作る立場にある人は,自分の信じる良いと思うものを作りたい.一方で,職業としてそのような立場にある場合は,お客様に良いと思ってもらわなくてはならない.大抵そこにはギャップがあって,一度は思い悩むものだと思う.この本には音楽家としての著者の思いが書かれてある.私と職業のジャンルは違うが,繋がるところもやはりあって面白かった.


それよりも,やはり一流の仕事をしている人・最前線にいる人は,(大変失礼な言い方だが)私とは違うなということを,この本を読んで強く感じた.自分に甘さがなく,もがき苦しみながら作品をひねり出していることがよくわかった.


私はそこまでの「もがき」の経験はない.自分に甘く,厳しさから逃げているからだろうか.とは言え,闇雲にあくせく働けばよいということでもない.そこには,明確なゴールがなくてはならない.どこまで厳しいゴールを設定出来るかだ.しかも,クリエイティブであるにはゴールは誰も見たことがないところでないといけないし,当然自分自身にもどんなゴールなのかわからない.


自分自身も見たことがないゴールをどうやって設定し,追い続ければいいのか.そこのところがまだ腑に落ちていないところだ.

火事場プロジェクトの法則

[システム開発] 火事場プロジェクトの法則 ~どうすればデスマーチをなくせるか?

[システム開発] 火事場プロジェクトの法則 ~どうすればデスマーチをなくせるか?

ソフトウェアプロジェクトの現場にたずさわる人達が,いわゆる技術以外で身につけなくちゃいけない考え方や行動などが体系だって書かれてある本.バードビュー・コミュニケーション・エモーション・フィードバックの4つに体系立ててあるところが面白いですね.「目から鱗」のようなハッとした気づきはなかったけれど,「そうだよな」と思いながら最後まで読みました.私は現場をまとめるリーダーとしての顔もあるので,「う〜ん.耳が痛い」と思う部分もありました.


視野を高く・広く持とうとすることが大事であることは,私も同感です.まさに私も,上司の視点や上司の立場でモノを見ようと思い始めてから,上司と対立しなくなりました.お客さんの視点でモノを見れるようになってから,お客さんと仲良くなれるようになりました.お客さんの立場と会社としての立場とを押さえながら仕事を進めるようになってから,あくせく働かなくてもお客さんに認められ,頼りにされ,会社のサポートも得やすくなりました.


ちなみに私は「新人や若手に良い仕事をするには」のような話をする時に,いろんな比喩を使います.「おすしやさん」,「ピザのデリバリー」,「引っ越しやさん」,「レストラン」,「銀座のママ」などなど.SE はコンピュータを相手にするところが特殊な職業ですが,サービス業であることには変わりません.お手本はあちこちに転がっています.「コンピュータ」の以外の部分を見やすくするために,あえて「コンピュータ」や「エンジニアリング」とは遠い職業を見本にします.


私達 SE が忘れがちな,でも「当たり前」なことをたくさん教えてくれます.

アジャイルプラクティス

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

読みやすく,これからプロジェクトをよりよいものにしたいと考えている人にはお勧めできる本ではあるが,私にとっては新鮮味にかける内容だった.訳本と言うこともあるが,既に巷で言われているような内容や,別の本で読んだことのあることばかりだった.もう一度読んでみたいとは思わない.唯一面白いなと思うことは,紹介されているプラクティスがプロジェクトで上手くいっているときに感じる感情・気持ちを紹介していることだ.プラクティスを実践してはいるが,そのような感情になっていないということは上手くいっていないということになる.