誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

デザインについて書かれた古典だと思う.「読もう,読もう」と思って読めずじまいになっていたが,ようやく読んだ.

ユーザが道具や機械を操作する時にどのようなプロセスを踏んでいるかがわかり,そのために使いやすい製品はどのようになっているべきか,現実の製品ではどのような問題点があるかが,この本からわかる.


面白かったのは,著者がシャレているが使いにくい製品に出くわすと,(悪い意味を込めて)「賞でも取っているんでしょう」と言うくだりだ.どこの国でも良いデザインと言うとき,「見た目」が重要視されているんだなと感じた.私は,デザイン---特に工業デザイン---は,見た目はもちろん重要だが,第一に製品を使用者が使いやすくなるように補佐するものだと思っている.そんな私の背中を本書は押してくれたように思った.